【登録日】
2011/05/09
【更新日】
2019/03/27
更新履歴

基本情報

通番 11296 報告書番号 2010-東京-S055 Rev.3
情報区分

その他情報

報告書状態 最終報告
事象発生日時 2011年 03月 11日 14時 46分
会社名 東京電力株式会社 発電所 福島第一発電所1,2,3,4,5,6号
件名 【東日本大震災関連】福島第一原子力発電所 東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について

事象の概要

事象の概要 1.はじめに
平成23年3月11日14時46分に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響については、福島第一原子力発電所1〜4号機の原子炉建屋(以下、「R/B」という。)の壁等が損傷し、建屋内の放射性物質が非管理区域に漏えいしたと判断したことから、実用発電用原子炉の設置、運転等に関する規則(以下、「実用炉規則」という。)第19条の17の規定により、原管発官22第48
9号(3月18日付け)にて報告を行っている。
上記報告において、福島第一原子力発電所については、原子力災害対策特別措置法(以下、「原災法」という。)第10条第1項の規定に基づく特定事象(以下、「第10条該当事象」という。)(全交流電源喪失)及び原災法第15条第1項の規定に基づく特定事象(以下、「第15条該当事象」という。)(非常用炉心冷却装置注入不能または、原子炉冷却機能喪失)が発生し、安全上重要な機器等が原子炉施設の安全を確保するために必要な機能を喪失したこと、また、敷地境界の放射線量の値が制限値を超えたため、原災法第15条該当事象(敷地境界放射線量異常上昇)が発生したことを報告している。
また、原管発官23第307号(9月9日付け)(原管発官23第348号(9月28日付け)で一部訂正)にて、それまでに確認できた安全上重要な機器等の状況及び放射性物質の漏えい等について続報として報告するとともに、放射線業務従事者の被ばくに関して新たに報告を行っている。
今回、これまでに実施した関係者への聞き取り※1や現場調査、また、記録類からの評価、解析結果において新たに確認された事実、得られた知見について続報として報告するとともに、それらの事実や解析結果等に基づく事故の分析と課題の抽出より、今回の事故を踏まえ、既存の原子力発電所の安全性向上に寄与するための必要な対策方針について報告する。
※1:原管発官23第307号(9月9日付け)の中間報告と今回の報告内容における関係者の聞き取り人数、対象者等の相違は以下のとおり。
【原管発官23第307号(9月9日付け)】
・聞き取り人数 :延べ200名程度
・聞き取り対象者:主に管理職
・備考: 確度の高い情報を中心に事実関係・時系列を整理
【本報告書】
・聞き取り人数 :延べ400名程度
・聞き取り対象者:管理職、担当者
・備考: 原管発官23第307号(9月9日付け)の中間報告内容に基づき、個人の証言やメモを複数の情報を基に事実認定し、事実関係・時系列を再整理


2.件名
福島第一原子力発電所
東北地方太平洋沖地震に伴う原子炉施設への影響について


3.事象発生時のプラント運転状況
1号機(定格電気出力  460MW) 定格電気出力一定運転中
2号機(定格電気出力  784MW) 定格熱出力一定運転中
3号機(定格電気出力  784MW) 定格熱出力一定運転中
4号機(定格電気出力  784MW) 定検停止中
5号機(定格電気出力  784MW) 定検停止中
6号機(定格電気出力 1,100MW) 定検停止中


4.事象発生時の状況
4.1 東北地方太平洋沖地震及び津波のデータ
発生日時:平成23年3月11日14時46分
震源:三陸沖(震源深さ 24km)
マグニチュード:9.0
最大加速度:2号機原子炉建屋地下1階 水平方向(EW)550ガル
当発電所との距離:震央距離 178km、震源距離 180km
津波データ:浸水高
◇主要建屋設置エリア(1〜4号機側、敷地高O.P. ※1+10m)
・O.P.約+11.5m〜約+15.5m※2 (浸水深 約1.5m〜約5.5m)
※1:小名浜港工事基準面の略称(以下、「O.P.」という。)
※2:当該エリア南西部では局所的にO.P.約+16m〜約+17m
(浸水深 約6m〜約7m)
◇主要建屋設置エリア(5・6号機側、敷地高O.P.+13m)
・O.P.約+13m〜約+14.5m(浸水深 約1.5m以下)
浸水域
◇海側エリア及び主要建屋設置エリアほぼ全域
津波第1波到達時刻:平成23年3月11日15時27分頃
津波第2波到達時刻:平成23年3月11日15時35分頃
(以降、断続的に津波到達)

4.2 福島第一原子力発電所事象概要
1号機は定格電気出力一定運転中、2号機、3号機は定格熱出力一定運転中、4〜6号機は定期検査中のところ、平成23年3月11日14時46分に発生した三陸沖を震源とする東北地方太平洋沖地震により、1〜3号機は「地震加速度大トリップ」で原子炉が自動停止した。
福島第一原子力発電所で観測された当該地震の最大加速度は、2号機R/B地下1階において550ガル(水平方向:EW)であり、1〜3号機とも原子炉保護系(以下、「RPS」という。)が設計通りに作動したことにより自動停止した。自動停止直後に全制御棒全挿入及び原子炉の未臨界を確認した。また、地震により一部の送電線鉄塔が倒壊するなど、外部送電線からの受電ができない状態となったことから、各号機の非常用ディーゼル発電機(以下、「D/G」という。)が自動起動し、原子炉冷温停止に必要な設備は健全で安定した状態であることを確認した。
また、使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)の冷却機能については、1〜6号機の燃料プール冷却材浄化系(以下、「FPC」という。)は常用電源喪失により停止した。なお、1号機については原子炉停止時冷却系(以下、「SHC」という。)、2〜6号機については、残留熱除去系(以下、「RHR」という。)による非常時熱負荷モードでの冷却が可能な状態であった。
しかし、地震後の津波(同日15時27分頃、第一波到達、同日15時35分頃、第二波到達)により、1〜5号機において、一部を除くD/G設備及び電源設備等が被水したことにより使用不能となったため、すべての交流電源が喪失した。これについて、同日15時42分に原災法第10条該当事象(全交流電源喪失)と判断※1した。
なお、6号機においては、海水系による冷却の必要がない空冷式のD/G設備1台が運転継続したため、全交流電源喪失には至らなかった。
その後、1号機、2号機については、原子炉水位が確認できないこと、また、原子炉への注水状況が不明なことから、同日16時36分に原災法第15条該当事象(非常用炉心冷却装置注水不能)と判断した。
3号機についても原子炉への注水ができなくなったことから、3月13日5時10分に原災法第15条該当事象(原子炉冷却機能喪失)と判断した。

※1:平成23年4月24日に1号機、2号機、3号機のみに訂正
(原災法第10条該当事象(全交流電源喪失)は、原子炉が運転中の場合に適用となるため、冷温停止中であった4号機及び5号機は対象外と判断した。)

(1)1号機について
・1号機は、3月11日14時46分に地震に襲われ、原子炉が自動停止し制御棒はすべて挿入された。その後、非常用復水器(以下、「IC」という。)で圧力制御を行いつつ、停止操作を実施していたところ、同日15時30分に前後して津波に襲われた。
・この津波により、すべての直流電源、交流電源を喪失するとともに、機器の冷却に必要な非常用海水系も喪失した。また、余震頻発による津波発生リスクがある中、津波による漂流物が交通の障害となり、かつ、照明や通信手段がほとんど存在しないなど、厳しい環境下での対応操作を余儀なくされた。
・津波後、原子炉水位の監視ができなくなっていたが、3月11日21時19分には仮設バッテリーをつなぎ込み、原子炉水位が監視できるようになった。また、ICを起動するための弁の操作を同日18時台と21時台に実施した。なお、同日23時00分、タービン建屋(以下、「T/B」という。)1階北側二重扉前で1.2mSv/h、南側二重扉前で0.5mSv/hを計測した。
・小型発電機の電力によりドライウェル(以下、「D/W」という。)圧力を確認したところ、600kPa[abs]を超えている可能性があったことから、3月12日0時06分、原子炉格納容器(以下、「PCV」という。)ベントの準備を進めるよう発電所長(発電所緊急時対策本部長)(以下、「発電所長」という。)が指示を出した。なお、同日0時49分、発電所長は、D/W圧力が最高使用圧力(最高使用圧力528kPa[abs](427kPa[gage]))を超えている可能性があることから、原災法第15条該当事象(格納容器圧力異常上昇)に該当すると判断した。
・3月12日1時30分頃、1号機及び2号機のPCVベントの実施について、内閣総理大臣、経済産業大臣及び原子力安全・保安院に申し入れ、了解を得た。また、同日6時50分に、経済産業大臣より法令に基づき1号機及び2号機のPCV圧力を抑制するよう命令が出された。
・3月12日4時頃から消防車ポンプによる代替注水(淡水)を開始した。
・3月12日9時04分からD/W圧力を下げるため、PCVベントを行う作業を開始したが、既にR/B内は高放射線量環境下にあった。同日9時15分頃にPCVベントラインの電動弁(以下、「MO弁」という。)を手順書に従い手動で25%まで開操作を行った。さらに、圧力抑制室(以下、「S/C」という。)からのベントラインにある空気作動弁(以下、「AO弁」という。)を手動で開操作するために現場に向かったが、放射線量が高く実施できなかった。そのため、AO弁駆動用に仮設の空気圧縮機を設置してPCVベントの操作を実施した。
・3月12日14時30分、D/W圧力が低下したことから、PCVベントが成功したと判断した。
・3月12日14時54分頃、発電所長から原子炉への海水注入を実施するよう指示が出された。
・その後、3月12日15時36分、R/B上部で水素爆発が発生し、屋根及びオペレーションフロア(最上階)の外壁が損傷した。この爆発により海水注入のためのホースが損傷し、現場からの退避、安否確認が実施され、現場の状況が確認されるまで復旧及び準備作業が中断した。これらの過程で放射性物質が大気中へ放出されたため、敷地周辺での放射線量は上昇した。
・3月12日18時05分、経済産業大臣より、法令に基づき1号機原子炉圧力容器(以下、「RPV」という。)内を海水で満たす旨の命令があったことを本店及び発電所間にて情報共有した。
・3月12日19時04分から消火系(以下、「FP」という。)ラインを用いて消防車による海水の注水を開始した。
・SFPへは、3月31日13時03分からコンクリートポンプ車による放水(淡水)が開始された。

(2)2号機について
・2号機は、3月11日14時46分に地震に襲われ、原子炉が自動停止し制御棒はすべて挿入された。その後、主蒸気逃がし安全弁(以下、「SRV」という。)で圧力制御を行い、原子炉隔離時冷却系(以下、「RCIC」という。)を手動起動するなど、原子炉水位及び原子炉圧力を安定させながら停止操作を実施していたところ、同日15時30分に前後して津波に襲われた。
・この津波により、すべての直流電源、交流電源を喪失するとともに、機器の冷却に必要な非常用海水系も喪失した。また、余震頻発による津波発生リスクがある中、津波による漂流物が交通の障害となり、かつ、通信手段がほとんど存在しないなど、厳しい環境下での対応操作となった。
・津波後、原子炉水位の監視ができなくなっていたが、3月11日21時50分には仮設バッテリーをつなぎ込むことで原子炉水位を監視できるようになり、指示値が有効燃料頂部(以下、「TAF」という。)+3400mmであることを確認した。
・また、電源喪失以降、RCICの運転状況が確認できなかったが、3月12日2時55分にRCICの運転を現場で確認した。
・復水貯蔵タンクの水位減少が確認されたため、3月12日4時20分〜5時00分にかけて、復水貯蔵タンクの水位確保及びS/Cの水位上昇の抑制を目的として、現場にて弁を手動操作することでRCICの水源を復水貯蔵タンクからS/Cに切り替えて、RCICによる注水を継続した。
・3月14日13時18分、原子炉水位の低下が認められた。このことから、同日13時25分にRCICの機能が喪失している可能性があるとし、発電所長は原災法第15条該当事象(原子炉冷却機能喪失)と判断した。
・3月14日17時17分に原子炉水位が0mm(TAF)まで低下した。その後、SRVにより原子炉圧力を減圧し、消防車(同日19時54分、19時57分に各1台起動)による海水の注水を開始した。
・PCV圧力を下げるため、3月13日11時頃、3月14日21時頃及び3月15日0時頃からラプチャーディスクを除くPCVベントラインの系統構成を実施したが、D/Wの圧力低下は確認されず高めのまま推移し、ベントの効果は現れなかった。
・3月15日6時00分〜6時10分頃、大きな衝撃音が発生した。ほぼ同時期にS/C圧力の指示値が0MPa[abs]であることが確認された(「14.プラント水素爆発評価」で記述するが、衝撃音は4号機の爆発によるものと考えられる)。
・一方、D/W圧力は3月15日7時20分時点で730kPa[abs]を維持していたが、次の測定である同日11時25分時点で155kPa[abs]に低下しており、この間にPCV内のガスが何らかの形で大気中に放出されたと考えられる。なお、この頃に正門付近のモニタリングカーでの線量率の測定値が大幅に上昇した。
・SFPへは、3月20日15時05分から既設のFPC配管を用いて注水(海水)が開始された。

(3)3号機について
・3号機は、3月11日14時46分に地震に襲われ、原子炉が自動停止し制御棒はすべて挿入された。その後、SRVで圧力制御を行い、RCICを手動起動するなど、原子炉水位及び原子炉圧力を安定させながら停止操作を実施していたところ、同日15時30分に前後して津波に襲われた。
・この津波により、すべての交流電源を喪失するとともに、機器の冷却に必要な非常用海水系も喪失した。直流電源は、充電ができないためバッテリーが枯渇するまでの期間ではあったが、その機能を確保していた。また、津波による漂流物が交通の障害となり、かつ、通信手段がほとんど存在しないなど、厳しい環境下での対応操作となった。
・3月11日15時25分の原子炉水位高によるRCIC自動停止に伴い原子炉水位が低下したが、同日16時03分にRCICを手動起動したことにより、原子炉水位が回復した。3月12日11時36分にRCICが自動停止したことを確認した。その後、中央制御操作室(以下、「中操」という。)のRCIC制御盤にて起動操作を試みるも起動できなかった。
・3月12日12時06分にディーゼル駆動消火ポンプ(以下、「D/D−FP」という。)による代替S/Cスプレイを開始した。
・3月12日12時35分、原子炉水位の低下(L−2:TAF+2950mm)により高圧注水系(以下、「HPCI」という。)が自動起動した。
・3月13日2時42分、HPCIを手動にて停止後、D/D−FPによる代替原子炉注水に移行するため、同日2時45分にSRVを開操作したが開動作しなかった。
・HPCI停止後、再度、RCICの手動起動を試みたが、起動できなかった。3月13日5時10分、原子炉冷却機能を喪失していることから、発電所長は原災法第15条該当事象(原子炉冷却機能喪失)と判断した。
・その後、3月13日9時08分頃、SRVが開いて原子炉の急速減圧が開始され、原子炉圧力の減圧により、D/D−FPによる注水を開始するとともに、3月13日9時25分頃から消防車によりFPラインからホウ酸を含む淡水注水を開始した。なお、同日13時12分には海水注水に切り替え注水を継続した。
・PCV圧力を低下させるため、3月13日8時41分及び3月14日6時10分にPCVベントのライン構成を行った。
・その後、3月14日11時01分、R/Bで水素爆発が発生し、オペレーションフロアから上部全体とオペレーションフロア1階下の南北の外壁が損傷した。これらの過程で放射性物質が大気中へ放出されたため、敷地周辺での放射線量が上昇した。
・爆発の影響で注水が停止したが、運転可能な消防車を使用して、物揚場からの注水ラインを構成し、3月14日16時30分頃に海水注入を再開した。
・なお、1号機と同様にR/B内に水素が溜まっている可能性が考えられたため、R/Bの水素を抜く方法として、「ブローアウトパネルの開放」「R/B天井の穴開け」などの方法について検討がなされたが、照明などない中での高所作業になり、現場が高線量であることや火花が散り爆発を誘発する可能性が高いこと等により実現に至らなかった。また、爆発を誘発する危険性が低い「ウォータージェットによるR/B壁への穴開け」については、機器の手配は済んでいたものの、3号機の爆発までに発電所へ到達しなかった。
・SFPへは、3月17日9時48分頃、ヘリコプターから海水が投下され、その後、同日19時05分から放水車により、放水(海水)が開始された。

(4)4号機について
・3月11日14時46分に地震に襲われた時点で、4号機は定期検査中であり、シュラウド取替工事中のため原子炉内から全燃料がSFPに取り出され、SFPには燃料集合体1535体が貯蔵されていた。また、原子炉ウェル側は、プールゲートが閉で満水状態であった。
・3月11日15時30分に前後して津波が襲来し、直流電源及び交流電源がすべて喪失するとともに、SFPの冷却機能及び補給水機能が喪失した。
・3月14日4時08分にはSFP水温が84℃であることを確認した。
・3月15日6時00分〜6時10分頃、大きな衝撃音が発生し、その後、R/B5階屋根付近に損傷を確認した。
・さらに、3月15日9時38分にはR/B3階北西コーナー付近で火災が発生していることが確認されたが、同日11時頃、自然に火が消えていることを確認した。また、3月16日5時45分頃にも、R/B北西部付近で火災が発生しているとの連絡があったが、同日6時15分頃、現場での火災は確認できなかった。
・SFPの注水及び冷却の対応状況については「13.4 4号機SFP状況」に、R/B上部の損傷に関する考察については「14.プラント水素爆発評価」に記す。

(5)5号機について
・3月11日14時46分に地震に襲われた時点で、5号機は定期検査中であり、原子炉に燃料を装荷し、RPVの耐圧漏えい試験を実施していた。津波後、全交流電源が喪失し、原子炉及びSFPの冷却機能及び補給水機能が喪失した。
・このため、燃料からの崩壊熱により原子炉圧力が上昇傾向にあったが、原子炉へ注水を実施するためには、原子炉圧力を下げる必要があることから、現場でRPV頂部ベント弁の駆動空気供給ラインを構成後、3月12日6時06分に中操から当該ベント弁を開操作して、原子炉圧力の減圧を実施し、大気圧程度まで降下させた。
・その後、崩壊熱の影響により原子炉圧力は上昇したが、6号機から電源融通を受けて、SRVで原子炉圧力を調整するとともに、復水補給水系(以下、「MUWC」という。)ポンプを使用して炉内への注水を行い、原子炉の圧力と水位を制御した。
・その後、仮設の残留熱除去海水系(以下、「RHRS」という。)ポンプを設置することで、RHRを起動できたことにより、3月20日14時30分に原子炉冷温停止状態とするとともに、SFPについても継続的に冷却を行い、安定な状態となった。

(6)6号機について
・3月11日14時46分に地震に襲われた時点で、6号機は定期検査中であり、原子炉に燃料が装荷され、冷温停止状態であった。津波後、非常用海水系による冷却の必要がない空冷式のD/G1台が、その電源設備等を含め、津波による被水を免れたため、機能喪失に至らず電源供給を継続できたが、海水ポンプ及びRHRSポンプはすべて機能を喪失し、原子炉及びSFPの冷却機能が喪失した。
・このため、燃料からの崩壊熱により原子炉圧力が緩やかな上昇傾向にあったが、SRVで原子炉圧力を調整するとともに、MUWCポンプを使用して炉内への注水を行い、原子炉の圧力と水位を制御した。
・その後、仮設のRHRSポンプを設置することで、RHRを起動できたことにより、3月20日19時27分に原子炉冷温停止状態とするとともに、SFPについても継続的に冷却を行い、安定した状態となった。

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参考資料

添付資料